◆阿蘇の説明
一言で「阿蘇(あそ)」といっても、人によって指す言葉が違います。ここでは一括して「外輪山の内側」を阿蘇と定義してちょっとだけ説明したいと思います。外からくる人は外輪山?なにそれ?という感じだと思いますので、そのへんもちらっと説明します。
一度阿蘇に来たことがある方はわかると思いますが、阿蘇は周辺を「外輪山(がいりんざん)」と呼ばれる直立した丘のような山がぐるっと囲んでいます。その外輪山の中央には中岳を中心に特徴的な山々が並び、場合によってはこの真ん中の山だけを阿蘇山と呼んだりもします。しかし、正確には外輪山と中岳など全てが阿蘇山です。外輪山と中岳の間には平地が広がり、そこに人が住み車が走り田んぼもあるわけですが、なんと、それらも全部ひっくるめて阿蘇山になります。
元は1つの巨大な火山だったんです。
その火山が大爆発を繰り返し、巨大なカルデラを形成した場所が今の阿蘇山です。カルデラの外側を外輪山とよび、平地に人が住み、真ん中に火口をもった山があるという感じです。大きな山の、大きなカルデラの中に人が住んでいるんです。あらためてこう書くと本当に凄いですね。この辺の説明は他にも色んなところで書かれていますので興味がある方は色々と調べてみてください。
◆熊本地震の被害概要
北は阿蘇市、南は南阿蘇村、東は高森町と自治体がわかれており、それぞれ異なった被害があります。揺れの被害は山の西から南西側にかけて大きく、このエリアは倒壊した家屋が目立ち、特に南阿蘇村立野地区の被害は顕著です。一方、他のエリアの建物への被害は比較的軽微な状態の場所も多く、再建されたお店も多い状態です。
◆道路の寸断
熊本市と阿蘇を結ぶ主要道路が国道57号線になります。国道57号線を北上すれば阿蘇市へ、途中阿蘇大橋を渡れば南阿蘇村、高森町につながります。この生命線とも言える道路が熊本地震の際に大規模な土砂崩れの影響で隣接していた阿蘇大橋もろとも流出する事態が発生しています。また、空港方面と南阿蘇村をつなぐ俵山トンネルも崩落したことにより、熊本市側から阿蘇へ入るルートが極端に減っています。
阿蘇市へは大津町から伸びる「ミルクロード」と呼ばれる道路、南阿蘇村と高森町に関しては「グリーンロード」を使う方法が一般的になっています。
◆土砂災害への危険性
阿蘇の地質は火山灰でできている場所が多く、特に表層はとても脆くなっている場所があります。そうした場所は元々大雨が降った場合などは土砂崩れが発生しやすい場所でした。そのような場所で大きな地震があったため、各所で土砂崩れがありました。さらに土砂崩れが発生していない場所でも、危険区域が増えており、長期間大雨が降った場合は危険度が増す状況になっています。
◆一部観光地の閉鎖
熊本地震により、観光地の閉鎖も発生しています。代表的な観光地である阿蘇山火口、草千里と言った阿蘇五岳は土砂崩れの影響で立ち入り禁止になっています。また、この土地のシンボルともいえる阿蘇神社も重要文化財の楼門が倒壊した状態となっており、本来の形での参拝は当面難しい状況です。
◆阿蘇観光のいま
上に書いたように影響がある場所があることは確かです。一方で阿蘇の8割程度はすでに再建が進み、通常の営業を続けている場所も多いです。今の阿蘇は正直にいえば人がとても空いていますので、のんびりと観光もできると思います。
◆阿蘇観光のおすすめ
梅雨が抜けた「8月~11月」がおすすめです。
熊本方面だけでなく「大分方面ルート」もおすすめです。